学術運動交流集会

2019年度大阪民医連 学術運動交流集会 開催
演題募集要項

はじめに

「民医連運動を確信に
 ~学び・活かそうSDH!高めよう地域の福祉力!~」

学術運動交流集会実行委員会
実行委員長 中村 賢治

厚生労働省が発表した平成27年度市区町村別の平均寿命によると、最も寿命が短い(最下位)地域が大阪市西成区でした。他にも、浪速区、大正区、平野区が下位10位以内にランキングされています。一方、寿命が長い上位には、男性の6位に吹田市、7位に箕面市が入っていました。上位と下位の10位以内の両方にランキングされているのは、大阪府だけです。これは、大阪府には全国でもトップクラスの健康格差が存在していることを示しています。
 大阪民医連は、戦前、貧しくて医療に掛かれない人びとを何とか救おうとした医療従事者たちの無産者診療所運動が、戦後の労働運動や生活擁護運動などと結びついて生れました。貧しい人びとにも、必要な医療・福祉を届けることは、大阪民医連の原点と言えます。
 日本がなぜこれほど長寿なのか、非常に興味を持って研究をすすめたのが、マイケル・マーモット前世界医師会会長でした。マーモットらの長年の研究によって、生活や社会環境などの格差が、健康の格差につながることが明らかとなってきました。マーモットらの研究成果を短い言葉で言うと、「貧しい家庭に生れ、貧相な栄養状態で育ち、十分な教育を受けられず、収入の良い仕事に就けず、友人が少なく、社会から孤立している人ほど、暴力・犯罪、自殺・うつ病、冠動脈疾患など不健康な状態になりやすい」ということです。私たち民医連職員の先輩たちは、これらの研究成果が明らかになる以前から、この問題を民医連の中心課題と思っていたのではないでしょうか。
 今の日本では、目に見える貧困は減ってきました。例えば若者では、貧困な人ほど、携帯電話の保有率が高いのです。また、ファストファッション(プチプラコーデ)と呼ばれる、低価格で見栄えの良い服装をネットで公開するページも多く、見た目だけでは貧困を見抜けなくなりました。同じことを、カナダで貧困を治療する家庭医として知られるギャリー・ブロックも主張しています。まず、生活状況について尋ねることからはじめるべきだと。
 大阪の貧困は、いまだに目に見えるものもあります。私たち民医連だけで解決できない課題でいっぱいです。共同組織や地域、NPO、行政、経済団体など、たくさんのつながりを作ることの大切さもここにあります。まずは、私たちが健康格差とその原因である健康の社会的決定要因を学ぶことからはじめましょう。